交通事故の後遺症
交通事故治療の示談と後遺症(4)
交通事故の後遺症
交通事故の後遺障害とは事故によるケガの治療がいちおう終了しても、回復の見込みがない症状や機能の喪失が残ることです。これを「症状固定」といいます。事故後半年くらいをめどに症状固定を判断するのがふつうです。
交通事故の後遺障害は、加害者が自賠責保険を通じて賠償する金額を決めるために14等級に等級づけされます。後遺障害を認定し等級を決めるのは「NPO法人損害保険料率算出機構」に属する「自賠責調査事務所」です。
■交通事故の後遺障害に認定される条件
自賠責保険で後遺障害が認定されるためには次の要件が求められます。
1.交通事故で受けた傷害であること。
2.症状固定(将来も回復が見込めないと医師が認めた状態)であること。
3.事故と症状固定の相当因果関係が認められること(関連性がたしかなこと)。
4.医学的に説明できる症状固定であること(自覚症状だけでない所見があるなど)。
5.障害が労働能力の喪失または低下をともなうこと。
6.障害の程度が自賠責の等級に該当するものであること。
指を失ったとか片目の視力を失ったなどの障害の場合には、上記の要件をクリアすることは明らかなので、認定についての問題はありません。しばしば問題になるのは、むち打ち症など自覚症状はあるがどの器官がどのように損傷されているかが分かりにくい障害の場合です。
■後遺障害の賠償額
後遺障害の自賠責賠償額は第1等級の4000万円を限度として以下14等級の75万円まで、等級ごとに決められています。
神経系統その他の重大な後遺障害
[等級] [ 後遺障害] [保険金額] [労働能力喪失率]
第1級 1 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要する状態 4,000万円 100%
第2級 1 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、上記以外の後遺障害
[等級] [後遺障害] [保険金額] [労働能力喪失率]
第1級 両目が失明したもの(以下6項目) 3,000万円 100%
第2級 1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの (以下4項目) 2,590万円 100%
第3級 1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの (以下5項目) 2,219万円 100%
第4級 両眼の視力が0.06以下になったもの(以下7項目) 1,889万円 92%
第5級 1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの(以下8項目) 1,574万円 79%
第6級 両眼の視力が0.1以下になったもの(以下8項目) 1,296万円 67%
第7級 1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの (以下13項目) 1,051万円 56%
第8級 1眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になったもの (以下10項目) 819万円 45%
第9級 両眼の視力が0.6以下になったもの(以下16項目) 616万円 35%
第10級 1眼の視力が0.1以下になったもの(以下11項目) 461万円 27%
第11級 1 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの(以下11項目) 331万円 20%
第12級 1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
(以下15項目) ※12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの 224万円 14%
第13級 1眼の視力が0.6以下になったもの(以下11項目) 139万円 9%
第14級 1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
(以下10項目)※14級9号局部に神経症状を残すもの 75万円 5%
※後遺症の各等級に該当する症状の詳しい内容は、国土交通省の「自賠責ポータルサイト」などで見ることができます。http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment.html
むち打ち症の後遺障害が認定されるのは、残った症状が12級13号の「局部に頑固な神経症状を残すもの」あるいは14級9号の「局部に神経症状を残すもの」に該当すると判定された場合です。
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