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外傷 ケガの治癒と後遺症

なぜ後遺症が残るのか?

なぜ後遺症が残るのか?

■なぜ後遺症が残るのか

人の自然治癒力はたいへん優れたものですが、どんな場合も元の状態にまで戻せるわけではありません。植物では葉の一部を土に差しておくと、そこから根や茎が生えて完全な形を取り戻すものがありますが、人にはこのような柔軟な再生力はありません。ケガで指や手、足などを失うと回復できない後遺症として残ります。

外見からは分からない後遺症もあります。脳出血の後に言語障害がでたり、半身不随になることがあるのは,脳は損傷を受けるとなかなか元の状態には戻りにくい組織だからです。神経を断裂すると、そこから先の運動機能が失われて回復しません。捻挫してケガが治った後も、関節の曲がる角度が小さくなるなども後遺症のひとつです。

後遺症は、病気やケガの急性期の症状が治った後も、機能障害などの症状や傷あとが残ることです。ケガの後遺症が残ったかどうかは、ケガをしてから3カ月目以降に判断するのがふつうです。治療で治せるところは治した状態を「症状固定」といい、そのときなお残っている症状が後遺症です。

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<ケガの後遺症で多いもの>

ケガの後遺症でどういうものが多いかは、交通事故の自賠責保険の後遺症の等級認定を見るとよく分かります。後遺症の等級は1級から14級までの等級に分けられていますが、その等級づけの主な基準は、これから先働く能力にどれくらい影響があるかということです。

自賠責保険で認定される後遺症には次のようなものがあります。

・視力に関するのも(失明から視力低下まで)

・聴力に関するもの

・指や手足の喪失に関するもの(指の切断など)

・精神障害に 関するもの

・言語機能や咀嚼機能(物を噛み、のみ込む能力)に関するもの

・運動機能に関するもの(下半身の付随、関節機能の低下など)

・神経症状に関するもの

・生殖器に関するもの

・骨の変形に関するもの

・歯の喪失に関するもの

この中で交通事故でもっとも多いケガの「むち打ち症」に関係があるのは、12級と14級にある「神経症状」についての項目です。第12等級には「局部に頑固な神経症状を残すもの」とあり、第14級には「局部に神経症状を残すもの」とあります。むち打ち症の後遺症認定では、残った症状と事故との因果関係を医学的に説明することが難しい場合があります。12級に認定されるのは、検査結果などから医学的に「証明」できるもの、14級は医学的に「推定」できるものというのがこれまでの認定基準になっているようです。

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